十一

鶏の手羽先を煮る。味醂の代わりにチンザノオランチョを使ったら、味はともかく甘い匂いに閉口。酒、オランチョ、醤油、生姜と玉葱とセロリ。煮込んで一昼夜放っておいたら随分やわらかく仕上がって、甘い匂いも野菜と鶏の香とうまく混じりあって悪くない出来。鶏手羽を貪る一方、煮汁でキャベツの刻んだものを煮て、スープにする。本当にキャベツが主食になってしまった。キャベツとアイスクリームで生きている。
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ずいぶん前に借りたベンハーパーのDVDを何日かかけて観賞。山崎まさよしに熱狂していた頃を思い出して、平静ではいられない。決して似ているわけではないが、共通するものはあって、DVDをみながら、あの頃をまた別の場所と時間で眺めている感じを、うまく消化できないようなそうでもないような。
そういえば当時はインタビュー雑誌なんかもたくさん読んでいた。インタビュアーとアーティストの距離感で内容の善し悪しは決するということが判った。判っていた。どの雑誌でもアーティストは同じことを言っているから、最終的には、インタビュアーのQの部分しか読まなかったり。森田恭子とかエルマガの音楽誌(あー、雑誌の名前が出て来ない。あ、トーキンロックだ!)の吉村さんだっけ、むしろそんなライターの人たちの腹の中の方が面白くて読んでいたっけ。インターネットの前の話だ。(90年代の終わり頃の雑誌類とヤクルト優勝翌朝のスポーツ新聞がグルーヴィジョンズの段ボールに入っている周到さよ。)