志村

前方から、道のど真ん中をサラリーマン風がぼーっと歩いてくる。その後ろから音もなく忍び寄る軽のバン。「志村、うしろっ!」と言ってやろうかと思ったら、すんでのところで車の気配に気づいたらしく、「ああ、そう。」と言うふうに微妙な顔で道を開ける。が、私が前にいることにも気づいて欲しかった。あれよあれよでどーん。