買物をしていたら急に熱が出て、家に逃げ帰る。
毛布と毛布の間で情けないなあとくたってしまった昼三時。買ってきた漫画を読んでいたら、二冊が二冊ともに父親が癌に倒れるエピソードがあって、今から十年二十年かけてそろそろひとごとではない話だもんで、こんなふうにいろいろと心もとない自分がその状況に置かれたら、なんて考えるけど、ものを考えられるほど頭がはっきりしなくて不安がただただ喉を痛くする。一冊はカラスヤサトシの「おのぼり物語」。内澤さんがよかったつってたから読みたかった。「カラスヤサトシ」を読むたびに、もし私が男だったら漫画のかけないカラスヤサトシになってたろうなと思う(註:とても残念な善人の意)、痛々しい共感がどうしても拭えず。それがあっての「おのぼり」。歳もだいたい似たような頃合で。よかった、辛かった、確かにいい漫画だ。135ページの言葉は、私も自分に言い聞かせよう。そんで逃げずに書こう、って気持ちになった。もう一冊はミュージックマシーンの人が言うところのくっほも。献立欲がかきたてられる。