素人

つまるところ、カメラを構えることが日常であれ、ということなんでしょ。それは割とクリアできているんだけど、シャッターがおせないんだよね。「ああ、今じゃない」て。出来を予測してってんじゃなくて、「あああ、遅すぎた」と感じる。そんなに動いているものを撮る訳じゃなし、そんな繊細なことをするでなし、だけど、なぜか。もちろん私の動作がとろくさいのもある。まあ、撮りたい時は撮れない時ってのがいちばん多いんだけど。撮りたい時ってのは、何となくぐっとクる瞬間と言い換えてもろてよし。最近だと、ニア廃人のホームレスと目が合った時とか。他所のこどもがはっちゃけてる時とか。高級ブランド店の店前とか。ごっついパンチパーマのおじさんと大型犬のコンビとか。ただ、そういうのにぐっとクるのと同じレベルで、どっかのおばちゃんが育てたクンシランとか、人んちのテレビのアンテナとかにもぐっとキてるから、問題ない方を撮っていれば欲求不満にはならない。未練はあるけど、身の安全は一応優先。
素人は素の人だから、煩悩のベクトルも素であり、それは割に悪くないことだと思う。「自分さえよければいい」に疚しさのない唯一のことがら。