大騒ぎ。

昨日の晩ごはんは近所の魚屋で買ったおろしたてのハマチの刺身で、これが非常に美味しかった。火がついた以上、一点投資型人間の私としては、当然、今夜も刺身が食べたくなったわけで、帰りに百貨店に寄り道をして鮮魚売り場を物色した。ブリやアジやトロの寿司を眺めつつ、やっぱ飯を炊いて刺身だろうと、「右手は左手の肘、左手は人さし指を鼻の横に」ばっちり献立に悩む奥様ポーズを決めて、コーナーに棒立ちした挙げ句、結局「味のバラエティー」というパックを買った。要は刺身の切り落としを適当に詰めただけの、安いし、ま、ズケにすりゃいっかというノリで。帰途、「寒いし煮物が食べたい。熱い汁ものも欲しい。刺身がしょぼいと切ないから、長芋の短冊でも添えるべ。」着々と献立が整い、買い物を済ませる。家に着くや、飯を炊き、刺身のパックに山葵醤油をぶっかけておく。独り飯なのに南瓜の面取りなんかもちゃんとして、そいつの含め煮やら、昆布だしの汁の実は葱としめじとオクラで、大葉を刻んで長芋はビニール袋に入れて叩いて。そうそう、鉢はファンヒーターの前で温めて、と。この段取り上手さんときたら、ご飯の炊きあがりに全品完成。さて、飯を盛って、そうだズケを皿に、ん?…大トロ大トロ中トロ赤身、鯛、ハマチ、烏賊、カンパチ、鮭。脂がのって醤油を弾く腹身が、歯応えを確信させる透明感の白身が、どーんと目の前に。中身をちゃんと見ずに買ったけれど、これごっつい美味しそう。そして思った以上のボリューム。あかん、こんなん食べたら罰あたるわ。美味しそうすぎて目眩がする。他のおかず、要らんやん。わー、鯛。ぅほー、トロ。いやん南瓜も旨いやん。と、騒ぐだけ騒いでぺろりと平らげました。こんなに白いご飯を食べてるのって、久しぶりだわ。けど、当分の間、もう、刺身はいらない。