なぎ

南木佳士の本ばかり何冊か続けて読んでいる。比較的新しいものから初期のものへ遡っている感じ。文章が奇麗で、とても好きになった。そして「破水」に圧倒された。
自分は果たして書く必然をもっているのかどうか、この自問は迷いどころか恐怖に近い。必然、必要、衝動、勇気、力。主語も目的語も省いてもやもやと喋っていた時に、マスターが「見切りをつけるのができんのは地獄やな。」と言わはって、人生の三方が塞がった気がしたもんですわ。他人から見れば地獄なのか、とね。塞がったら塞がったで、壁を登るなり穴を掘るなりするまでよ。歳をとり肉体労働ができなくなって、汚い公団住宅生活保護を受けながら書いて死ぬのもありだと思う。が、自分は果たして書く必然をもっているのかどうか、この自問は迷いどころか恐怖に近い。必然、必要、衝動、勇気、力。口先ばかりで逃げて、向き合わぬ報いが眼の前に白い壁を築く。ま、壁やのうて障子かも知れんしね。おいらはブリキ製のアタマに藁の詰まったライオンだ。人生の蹉跌が足りぬと言うなら、男に振られるくらい厭わない。…なんてな。この妙な屈託と開き直りがかわいくねぇんだよなぁ。
今日の脳内BGMは[My Blue Heaven]