そういえば

教授個人を慕ってゼミを選択したものの、ところでこのせんせは何の勉強をするんだっけ?と最後までもやもやして過ごした学生時代。テキストはカッシーラやニーチェやゲーレンでした。正直言って私はおばかさんなので、睡魔とテキストと二つを相手に戦うには非力過ぎて、何とか睡魔に勝った日は「せんせっていいこと言うなあ」で一日を終えておりました。ニーチェとルソーだけは文章のテンションが面白いので自力で読みましたが、何を書いていたか私に訊かないでください。扱うテキストは難しかったんですが、サブテキストにユクスキュルやローレンツをもってきてくれてたので楽しかったです。哲学はどうでもいい、は言い過ぎにしても、文系サイドの生物学の方に興味があったので、勝手に今西錦二など読んでいました。当然のことながら何を書いていたか私に訊かないでください。とにかくせんせはいつもいいことを言っていて、今の時を生きるのにそっと支えになるような不良の価値観を強固なものにしてくれました。何度かせんせが「〜学を学ぶものはこういう考え方をできるようにならんとダメだよ。」と仰っていて、その度に、ああ私が勉強しているのは〜学かあ、と思ったものの、帰る頃には忘れてしまって、で、何学だっけ、のまま卒業してしまったのです。
今日、ネットをお散歩中に「現象学」云々のレビューっていうか同意文書を読んで、「あ、これや。」と今更銘記。私のいたゼミは現象学をしていました。あれは、たぶん、すごく、大事な話だと、思う。