tanpak2007-04-01

今回の、インフルエンザとタミフルのおかげで、この話題の裏路地あたりで「熱譫妄」という言葉が出てきている。私は嬉しい。物心ついてから、中学にあがるくらいまでの私の恐怖と不快のランキング上位はほとんどこれに帰するものだから、あんまりうまく人に説明できなかったけど意外とこんなに仲間がいたんだと知って、ちょっと嬉しい。このついでにアリス症候群とかまで追求してつっこんだ研究もしてもらえたら、きっとちょっとほっとできるんだけど。
前にも言った話ですがちょっと時流に乗って(?)もういちど。こどもの頃、熱が出たらたいてい幻臭や視覚聴覚の違和が出たし、必ず悪夢にうなされて、体が起きてからも悪夢の残り香でそれにつられた(いわゆる異常行動と呼ばれてしまいそうな)行動をとることもあった。熱に限らず少しでも体調を崩すと同様の感覚の違和に引き込まれがちだったから、こどもなりにコントロールの仕方というか、付き合い方に腐心していた。急に手足が風船のように膨張する感覚、景色や声が急速に遠ざかる(のに受け取る音量は上がる)感覚、「やさしいおだやかな」責める声、傾く床、「とりかえしのつかなさ」。(しっかし「針とタイヤ」は言い得て妙としか言いようがないな。)悪夢や幻覚というのは自分の内にあるから、自分が自分である限り逃げ場のない恐怖と不快で、その逃げ場のなさをひとりで抱えるのは怖くて怖くて苦しかった。平常時には、そのときの自分に対してはプログラムの壊れた機械というイメージを抱えていた。(そっか、Macが調子を悪くしているときに寛容な態度で接することができるのはぽんこつへの共感があるんだ、きっと。)
こどもたち、体質が変わるようにいつかこれは消えるよ。また出てきても大丈夫、「客観」って武器を持てるから、今より怖くなくなる、早く怖さを抑えられるようになる、大丈夫。